ピンク色の

私が私でいられるように書きます。

春なんてこなければいい

Twitterで「新入社員」「新卒」「入社式」などというワードを何回検索しただろう。街中ですれ違う新入社員らしき人とすれ違うたび目をそらした。私もその一人のはずだった。4月1日は気分も体調も最悪だった。身体が動かないってこういうことなんだと驚いた。

 

追い打ちをかけるように親からは制服の写メを祖母が欲しがっているとか、祖母にはなんて言うかとか、そんなLINEがきた。スマホを投げ捨ててやりたくなった。私は就職してないんだから。

 

就職することが全てだとか、正解だとかではないと思う。(思いたい)でも、やはり大抵の人は大学を出て就職するしそれが一般的となっている。それが社会のレールだと言うならば私は社会のレールから外れてしまっているのだ。いい成績をとっていい大学に行っていい会社に勤めなさいと言われてきた私にとって、呪いにでもかかっているようだ。

 

2回目の精神科では抗うつ剤を処方してもらった。セルトラリンというSSRIなるものらしい。この辛い気持ちから解放されたい。この薬を飲めば少しは楽になるのだろうか?鬱々した気持ちはなくなるのか?半信半疑だったけど藁にも縋る思いで飲んでみた。睡眠剤も続けてもらった。今思えば、受診当時特別に不眠というわけではなかったからいらなかったのでは・・?

 

3割の人に吐き気や胃のむかむかといった副作用が出るらしい。見事にその3割に入ってしまった。4日ほど胃が気持ち悪く、吐くまではないがとにかく気持ち悪い。最初は吐き気止めも効かなかった。今は気持ち悪さは消えたが、食欲があまりない。食事が義務的だ。

 

精神的な効果だが、気分がフラットになったと感じる。前のようにドンと落ち込んだり、すごい孤独感や不安感が沸き上がってくるなんてことがなくなった。この薬のせいかはわからないが、今まで好きだったものに興味が薄れた。良くも悪くも気分が平坦だ。私は抜け殻になってしまったのかと思う。希死念慮すらも感じなくなった。良いことなのかもしれないけど。

 

眠剤は効き目がすごかった。寝る前に焦燥感に襲われてもこれを飲めばいつの間にか意識がなくなっている。寝ているというより気絶といった方がしっくりくる。起きてよく寝たなぁって思うことが懐かしい。今まであんまり睡眠で悩むことはなかったのだが、早く起きすぎたり、途中で目が覚めたり、あまり眠れないのは気持ちのせいなのだろうか・・。手離せなくなる気がして怖い。

 

私の感情はどこにいったんだろう。全部薬でコントロールされてしまっているのだろうか・・と考えると何で生きているんだろうと思う。もちろん辛くて死にたくて泣いてばかりの辛い日々も、もう生きてるのが嫌だと思っていた。毎日死にたいと思いながら生きたくなかった。でも今は私が別の人になってしまったように感じる。最近は自分が誰かよくわからない。

 

自分を確かめたくて未だに自分を傷つけたくなる。今の仕事をしてなかったらしてたと思う。

 

春は嫌いだ。暖かい空気が焦燥感を掻き立てるし、何かが許されそうな気がする。みんなそれぞれスタートしていくのに、私だけが止まったままだ。つい先月まで一緒の大学で過ごしていた友達はどんどん先に行ってしまうのだ。自分が逃げたせいなのに、自分が選んだことなのに、今さら何を悩んでいるのか。

 

実家に帰ることもできない。わかってもらえるとは思わないけど言ってしまいたい。全部全部全部ぶちまけたい。でもそうしたらみんなを傷つけることになるでしょう。全部なかったことにしたい。どうせ何もない人生だったんだから。

 

毎年春は嫌いって言っている。