ピンク色の

私が私でいられるように書きます。

卒業式

大学を卒業した。ただそれだけのこと。早起きして着付けやらした割に1時間30分足らずで式は終わったし、偉い人たちの話はほぼ覚えてない。1つだけ覚えてるのは、後援会の代表が話した「大学生の時期は立ち止まる時期であってもいいと思うんです。」くらいかな。

 

私は立ち止まるどころか後退してしまった。大学に入る目的も、大学で得たことや過ごした時間、活動、人付き合いは人それぞれで比較的自由だからこそ主体性が求められる。私はぼやっと入学しなんとなく過ごしたから卒業した実感もわかないのだろうか。

自分のやりたいことを見つけるために大学に入った人たちも、大学生活で何かを見つけ就職していく、そうできればよかったのだろう。

 

4年生は講義もなく学校に行くこともなかったから、いつも絡んでいた友達グループが全員集まったのは卒業式が久しぶりだった。何も変わらないはずだったのに、5人集まるとやはり疎外感を感じてしまう。気を使って話を振ってくれるのがわかってしまった。こんなんじゃなかったのにな。人見知りあるあるだと思うんですがどうですか?

 

5人中3人は県外から来ている人だし、中高と顔なじみ同士なので当然親同士も仲が良い。余計に感じる疎外感。大学の卒業式って意外と親も来るんだな。来なくていいと言ってたから当然来なかった。袴姿の写真だけ送った。初対面の人と上手く話せない。もごもごして何だこいつって思われてるんじゃないかと不自然になってしまう。最悪。

 

クソみたいな偶然というか、見事に元カレ2人が視界に入った。1人にはめちゃくちゃ気まずそうな顔された。恋愛拗らせた原因となったもう1人は視界に入っただけだった。卒業式の日に殺してやりたいなって思ってたのにね。

 

「久しぶり!これからどうするの?」何げないフレーズだけど私には重かった。水商売で過ごしていくなんて言えるわけないだろ。「地元で就職するよ~」なんて言っちゃったよ。嘘だらけの大学生活でした。

 

活動のほぼないゼミだったから式後の集まりも、サークルも途中で辞めたから追いコンもなく、うらやましいななんて思いながら帰った。家に帰って虚しかった。きっと今まで仲良くしてくれてた人たちも、これから会うことはないのかもしれないなって思った。みんな新しいコミュニティで新しい関係を築いていく。たまに昔の友人に会いたくなっても私のことは思いだしてくれないだろうな。

 

私は誰かの記憶に残ることができたのだろうか。その場しのぎのものだったのではないだろうか。誰も信じることができないのは苦しい。

 

容赦なく過ぎていく時の流れが怖い。それなりの中身にならなければいけない。周りにどんどん置いて行かれてしまう。もうすぐ大嫌いな4月だ。

私は学生という保証された社会的身分を卒業しました。