ピンク色の

私が私でいられるように書きます。

もう何でもいいから認めてください

本屋さんでバイトしたいなぁ。なんて考えた。私は本好きと堂々と言えるほどではないけど本を読むのが好きだ。小説とかより、エッセイが好き。その人の人生、思想に触れることができるから。それで救われたり絶望したりするけど、からっぽな自分に何かが注がれる感じがする。

 

もうすぐ今のバイトを始めて1年になる。私はチャットレディだ。アダルトの。女としての価値を認めてもらいたい、もう何でもいいから私のことを必要としてほしかったから、せめて性的にだったら必要としてもらえるんじゃないかと思って始めた。

 

朝起きて朝ごはんを食べながら応募したのを覚えている。最初は寝ぼけてたのではないかと思った。だって本当に突発的に応募したんだから。前々から考えていてとかではなかった。前日に合説だったから疲れてたのかな?とも思った。

 

当日に面接を受けた。女性スタッフが対応しますって書いてあったのに男性しかいなかったのは少しとまどったけど、店長はおだやかな感じであまり深入りはせずに仕事内容の説明などをてきぱきと進めてくれた。「本当にお仕事できますか?そんな風には見えないけど・・」もう私にはこれしかないので・・。

 

初めての仕事ではすぐにお客さんが来てくれた。初心者マークの特権。画面に映った自分を見た時、今自分の姿が誰かに見られてるんだなってちょっと思った。アダルトな行為も恥ずかしくなかった。抵抗なしだった。驚くくらい。

 

その日は遅かったから少しだけの仕事だったけど、ああ、あの行為でこれだけお金がもらえるんだ・・いいのかなぁなんて最初のお給料をもらったのを覚えている。帰りに寄ったカフェでタバコ吸いながら「ああなんかもうどうでもいいや」と思った。

 

初心者マークの特権と言ったけど、初心者マークの時はチャットに繋がりやすい。新人って聞くと気になるんだと。2か月ほどは順調に稼いでいた。しかし初心者マークが消えるとチャットに繋がりにくくなった。これは大抵みんなが通る道らしい。そしてブランクが来る。以前あんなに稼げていたのに稼げなくなった。私に価値がなくなった。

 

何かやばかったらすぐやめようって思ってたけど、自分を必要としてくれている、会いに来てくれる、ちやほやしてくれる・・それが私の価値だって完全に依存していた。少しは自信になったりもしていた。それがなくなったら私の価値はどこにあるんだろう?誰も来ない時は気分が不安定になって泣いたりもしたし、耐えきれず途中で退勤したりもした。

 

安定した収入がこれからもずっと続くなんて保証はない。もちろんすごく人気のある人は別だけど。今はなんとか常連様を確保して生活できるようになっている。それもいつまで続くかはわからないけど。でも私にはここしかない。

 

フリーで仕事をすると決めたのはいいものの、生活できるほどの収入はまだないし、孤独な作業で正直辛い。人間関係に悩まされないことはメリットだけど、それもそれで自分が存在しているかわからなくなる。完全な昼夜逆転で何かがバグっている。

 

せっかく大学まで行ったのに就職しないの?なんて聞かれるのが嫌だから本当のことを言えない。そんな既成概念にとらわれないと思っている自分がそれにとらわれている。

何もできていない自分。劣等感で人に会えない。家族にすら堂々と話せない。

 

毎晩このまま死ぬのかなと考えて泣いてしまう。気づいたら涙が出ている。なんでもいいから私のこと認めてください。

 

毎日毎日孤独に押しつぶされている。